上下水道料金の改定について
1 料金改定について
大竹市では、将来にわたって安定した経営を継続していくため、令和5年2・3月使用分(4月請求分)から、水道料金、公共下水道使用料、漁業集落排水施設使用料、農業集落排水施設使用料を改定します。
消費税率の改定を除いた実質的な料金の改定は、水道料金では平成14年以来、公共下水道使用料では平成19年以来となります。
〇主な改定内容
・水道料金は全体で5.5%、下水道使用料は全体で8%の値上げとなります。
料金の改定率は用途区分や使用水量により異なります。詳しくは「4 上下水道料金の計算」をご覧ください。
・基本水量(超過料金が発生しない水量)を変更します。
一般用 1月あたり10m3から8m3に変更
業務用 1月あたり20m3から8m3に変更
・メーター使用料をやめて、基本料金をメーターの口径別に設定します。
・用途区分の「臨時用」を「業務用」に統合します。
2 新料金の適用時期
改定後の新料金は、令和5年4月1日以降に検針した分から適用します。大竹市では2か月に1度、偶数月に検針していますので、水道・下水道を継続して利用している方は、4月検針・請求分(2・3月使用分)から新料金になります。

3 料金表
料金は、基本料金(基本使用料)に使用した水量に応じた超過料金を加えた金額となります。水道料金、公共下水道使用料及び漁業集落排水施設使用料は1月あたり8m3までは基本料金(基本使用料)に含まれます。

【水道料金】

【公共下水道及び漁業集落排水施設使用料】

【農業集落排水施設使用料】
利用者の多い一般用(家事用)と業務用の、水道料金と公共下水道使用料(または漁業集落排水施設使用料)を合算した料金は以下のとおりです。実際の請求にあわせて2か月分の料金を表示しています。
【一般用】水量別上下水道料金(2か月) (PDFファイル: 34.1KB)
【業務用】水量別上下水道料金(2か月) (PDFファイル: 34.3KB)
新料金と旧料金との比較は次のとおりです。水道料金、下水道使用料と合算した料金を表示しています。
【一般用】水量別上下水道料金(2か月)新旧比較 (PDFファイル: 248.9KB)
【業務用】水量別上下水道料金(2か月)新旧比較 (PDFファイル: 249.8KB)
すべての口径別、水量別の料金表は次のとおりです。
【一般用】水量別上下水道料金(2か月)全口径別 (PDFファイル: 937.3KB)
【業務用】水量別上下水道料金(2か月)全口径別 (PDFファイル: 939.8KB)
4 上下水道料金の計算
改定後の新料金での請求額と改定前の料金との差額を、以下の計算シートで試算できます。「使用区分」と「メーター口径」「使用水量(2か月分)」を入力いただくと、料金改定前後の水道料金及び公共下水道使用料(または漁業集落排水施設使用料)の合算額が表示されます。
上下水道料金の計算シート (Excelファイル: 44.7KB)
改定前後の比較
一般用(家事用)
基本的には改定前の料金から10%程度の値上げとなっています。その中で、単身世帯など水道使用量が少ない利用者に配慮し、使用水量が1月あたり8m3までの場合、改定後も改定前と料金が同額となるようにしています。
また、「家事用」としていた名称を「一般用」に変更しています。
業務用
あまり水を使用しない事業者の負担を軽減するため、使用水量が少ない場合の料金を値下げしています。1月あたりのおおむね30m3以上は、全体的に改定前から7%程度の値上げとなっています。

一般用 メーター口径13mmの場合

業務用 メーター口径20mmの場合
上のグラフの1人世帯、2人世帯、4人世帯の使用水量はモデルケースであり、実際の使用量は水の使い方により異なります。
5 料金改定の経緯
(1)水道事業の現状と将来の事業環境
事業の現状
大竹市の水道事業は、広島県と山口県の県境を流れる小瀬川を水源とし、旧海軍省が大竹海浜団上水道として昭和15年以降に竣工した施設を譲り受け、今日まで経営を行ってきています。大竹市では防鹿水源地で取水した自己水(南部地域)と広島県の施設である三ツ石浄水場から受水した県用水(北部地域)による給水を行っています。

給水エリアの概要
防鹿水源地と小方配水池は旧海軍省から譲り受けた施設であり、竣工から80年以上が経過しています。また、その他にも竣工から40年が経過している施設があり、経年劣化が懸念されます。老朽化した機械・電気設備は計画的に更新を行っているものの、今後は躯体を含めた大規模な改修工事が必要となることから、建設改良費の増加が予想され、その財源を確保していく必要があります。

主要な水道施設の竣工年度
大竹市の水道管路は、市街地の拡大や人口の増加などに伴って布設工事が実施されてきており、令和3年度末時点で総延長が約200kmとなっています。この内30%にあたる約60kmが法定耐用年数である40年を経過しており、水道施設同様に経年劣化が懸念されます。
令和10年度には布設から40年を経過した管路の割合が60%を超える試算となっています。40年を経過した老朽管路が増加すると、水道管路の破裂や漏水事故が多発する可能性が高くなることから、管路の老朽化対策が必要となっています。

水道管路における老朽管の割合
有収水量の現状と見込み
大竹市では、近年の人口減少や節水型機器の普及などによる水需要の減少に伴い、給水収益の減少が継続しています。有収水量は平成26年度から令和元年度までの5か年で260m3/日減少しており、これに伴って給水収益は約10,000千円減収しています。この減少傾向は今後も継続していくことが予想され、令和3年度と令和10年度を比較すると、有収水量が約800m3/日減少し、給水収益が約33,000千円減収する見込みです。

有収水量の見通し
財政見通し(水道事業)
大竹市では、令和2年度に「大竹市水道事業経営戦略」・「大竹市公共下水道事業経営戦略」(以下「経営戦略」という。)を策定しました。経営戦略で行った将来のシミュレーションに直近の実績を加味した推計では、人口の減少に伴い収入が減少していく一方で、老朽化した管路や施設の計画的な更新により支出は増大していき、現在の料金体系のままでは令和7年度以降は赤字経営に陥る見込みとなっています。

財政見通し(水道事業)
(2)公共下水道事業の現状と将来の事業環境
事業の現状と将来の事業環境
大竹市の公共下水道事業は、急速な都市化と産業経済の発展に伴う都市排水の増大により、生活環境の破壊と公共用水域の水質汚濁が憂慮される状況となったことから、昭和35年に事業着手しました。
当初は合流式により整備していましたが、公共用水域の汚濁防止に早急に取り組む必要があったことから、昭和47年に合流式から分流式へと排除方式を変更しました。その後、市勢の発展に伴って処理区域を拡大し、令和3年度末時点で下水道処理人口普及率は95.5%となっています。

公共下水道事業概要図
公共下水道事業の処理場やポンプ場等の施設においても、大竹市は比較的事業の着手が早かったこともあり、水道事業の施設と同様に経年劣化が懸念されます。

主要な下水道施設の竣工年度
大竹市の下水道管渠は、昭和50年代に多く布設されており、令和3年度時点で総延長が約150kmとなっています。このうち10%にあたる約15kmが布設から50年が経過しており、経年劣化が懸念されます。
令和10年度には布設から50年が経過した管路の割合が約40%まで増加する試算となっており、管路の老朽化対策が必要となっています。

下水道管渠における老朽管の割合
財政見通し(公共下水道事業)
経営戦略で行った将来のシミュレーションに直近の実績を加味した推計では、水道事業同様に収入が減少する見通しであることなどから、現在の料金体系のままでは令和5年度以降は赤字経営に陥る見込みとなっています。

財政見通し(公共下水道事業)
(3)上下水道料金改定の方針
水道事業及び公共下水道事業では独立採算による経営が基本であり、将来にわたって安定した経営を持続していくことが求められます。これまで、組織の統合や水源地及び処理場の維持管理業務の民間委託による人件費の削減等、支出の抑制に努めてきましたが、施設の老朽化や収益の減少など、将来の事業環境に目を向けると厳しい財政状況となることが予想されます。
そのため、令和5年4月の請求分より上下水道料金を改定することとなりました。料金改定にあたっては、以下の3つの事項を基本的な方針として検討しました。
方針1 安定した経営
将来の収支の推計では、水道事業で令和7年度、公共下水道事業では令和5年度に純損失へ転じる見込みとなったため、料金算定期間を令和5年度から令和9年度までの5年間と設定し、この5ヶ年の間で純利益が確保できる水準を今回の目標改定率としました。この結果、今回の改定率は水道事業で平均5.5%、公共下水道事業で平均8.0%となっています。

水道事業の収益的収支シミュレーション

公共下水道事業の収益的収支シミュレーション
方針2 利用者間の公平な負担
大竹市では上下水道料金とも用途別の料金体系を採用しており、一般(家事)用と業務用を区分して料金設定を行っています。一方で、近隣市では用途区分があっても使用水量が少ない場合は同一料金に設定されているか、一般(家事)用と業務用の用途区分をしていない場合が多いようです。
今回の改定では、料金体系についても見直すことで、利用者間での公平な負担の実現に取り組んでおり、将来的にはさらに公平感のある料金体系を目指します。

用途別の料金比較
方針3 県内で一番安価な水道料金
大竹市の水道料金は、令和3年10月末時点、広島県内で最も安価となっています(家事用13mm、10m3/月の場合)。今回の改定後も、この水準を維持します。

一般用料金(1月10m3)の比較
〇大竹市水道事業・公共下水道事業経営戦略についてはこちらから
大竹市水道・工業用水道・公共下水道・漁業集落排水・農業集落排水事業経営戦略
〇料金改定についての審議会(R3.12~R4.7)についてはこちらから
更新日:2022年10月17日