アルゼンチンアリ(特定外来生物)について
南米原産のアルゼンチンアリは、世界中に分布を広げています。
日本では平成5年(1993年)に初めて廿日市市で生息が確認され、大竹市では、平成16年(2004年)に栄地区で侵入が確認されました。
このアルゼンチンアリは、室内に侵入して人をかんだり、食品などに群がったりして、人に不快感を与えるため、不快害虫として問題となっています。また、侵入地域の在来アリを全滅させるなど、生態系への影響も懸念されています。
平成17年(2005年)に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」が施行され、アルゼンチンアリが特定外来生物(外来生物のうち、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすものまたは及ぼすおそれのあるもの)に指定され、国において防除などの措置がされることになりました。
アルゼンチンアリの特徴など
(特徴)
- 体長約2.5ミリメートル(働きアリ)
- 体の色は赤褐色(薄茶色)
- 日本のアリと比較して、体が細長く、触覚が非常に長い
(生態)
- 非常に動きが素早く、太い行列になる。
- 食欲が旺盛であり、雑食性でなんでも食べる。
- 非常に攻撃的であるが、毒はもっていない。
- 巣は地中のほか、特に人工物の隙間などを好み、どんな場所でもつくる。
- 1つの巣に女王アリが数百匹いることもあり(在来アリは1つの巣に1匹)、産卵能力も非常に高く、1匹の女王アリが1日に約60個の卵を産むといわれている。卵は2カ月で成虫になるため、急速に増加していく。
- 個体数は、8月から徐々に増えていき、9月~10月にかけて、巣の内外で最も多くなる。
- 活動時間としては、夕方から夜にかけて動きが活性化する傾向がある。
- 動きは鈍るが真冬でも活動している。(在来アリは冬眠)
(被害)
- 侵入地域では在来アリを駆逐して置き換わってしまうため、生態系に重大な悪影響を及ぼす。
- 家屋の中に大群で進入し、食べ物や浴室に群がったり、人体を噛むなど、人に不快感や恐怖感を与える。
- 農業害虫であるアブラムシやカイガラムシの分泌する甘い寒露をもらう代わりに天敵から守るという共存関係を築くため、農業害虫が増え、農作物が枯れるなどの被害をもたらす。
アルゼンチンアリの見分け方(環境省リーフレット)(PDF:646.4KB) (PDFファイル: 646.4KB)
分布状況
平成5年(1993年)に国内で初めて広島県(廿日市市)で発見されて以来、兵庫県、山口県、愛知県、神奈川県、岐阜県、大阪府、京都府、静岡県、徳島県、東京都でも生息が確認されています。
近隣においては、平成11年(1999年)広島市、平成13年(2001年)岩国市、柳井市、平成14年(2002年)府中町、平成18年(2006年)呉市、平成20年(2008年)宇部市、平成21年(2009年)光市で生息が確認されています。
本市における分布状況は、正確にはわかっていませんが、市民、企業からの情報などから、南栄2・3丁目、西栄2・3丁目、東栄1・2・3丁目に分布していると思われます。(現在のところ、国道2号より山間部側での目撃情報はありません)
アルゼンチンアリは、人や物の移動に伴って分布を拡大することがあります。分布していると思われる地域から、土、植木(鉢)、資材などを他の地域に移動させる場合は、必ずアリの有無を確認するようにしましょう。
アルゼンチンアリ対策
アルゼンチンアリは繁殖力が非常に強く、効果的な防除方法が確立されていないことから、根絶は非常に困難だとされています。
しかし、このアリは薬剤には非常に弱いことから、殺虫剤を目的に応じて上手に使い分けることで、家屋への侵入を防ぎ、日常生活の不快感を大幅に減少させることができると考えられます。
本市では、平成20年度(2008年)にアルゼンチンアリ対策広域行政協議会(会員:広島県、山口県、廿日市市、大竹市、岩国市、柳井市)に加入し、情報の共有などに取り組んでいます。
アルゼンチンアリ対策広域行政協議会では、平成22年度まで、国の支援事業を活用して試験的に一斉防除を実施し、効果の検証を行いました。
その試験防除の結果を基にして、アルゼンチンアリ対策広域行政協議会では、「アルゼンチンアリ一斉防除マニュアル」を作成しました。
このマニュアルは、一斉防除を行う際に活用できるように、一斉防除を行うときに必要な情報が記載されています。
マニュアルは、環境整備課などで配布しています。
また、下記リンクからダウンロードすることができます。
アルゼンチンアリ対策広域行政協議会について(アルゼンチンアリ対策広域行政協議会作成)(PDF:1.7MB) (PDFファイル: 1.7MB)
アルゼンチンアリの特徴と防除について(アルゼンチンアリ対策広域行政協議会作成)(PDF:1.7MB) (PDFファイル: 1.7MB)
平成20年度の取り組み
6月実施内容
アルゼンチンアリ駆除方法説明会開催、来場者アンケート結果(PDF:272.7KB) (PDFファイル: 272.8KB)
10月実施内容
一斉防除試験(秋期)の実施
3月実施内容
「アルゼンチンアリの特徴と防除」などのパンフレットを配布(南栄2丁目、3丁目、西栄2丁目、3丁目、東栄1丁目に約1,500部配布)
一斉防除試験(秋期)の結果報告(PDF:1.3MB) (PDFファイル: 1.4MB)
平成21年度の取り組み
5月実施内容
栄地区・御幸町の敷地面積の広い大手工場5社に、工場敷地におけるアルゼンチンアリの分布状況の確認と駆除の協力を依頼
6月実施内容
一斉防除試験(春期)の実施
10月実施内容
一斉防除試験(秋期)の実施
11月実施内容
一斉防除試験(春期)の結果報告(PDF:1.3MB) (PDFファイル: 1.4MB)
2月実施内容
栄地区の敷地面積の広い大手工場4社に、工場敷地におけるアルゼンチンアリの駆除への協力を依頼
3月実施内容
一斉防除試験(秋期)の結果報告(PDF:830.8KB) (PDFファイル: 830.9KB)
平成22年度の取り組み
8月実施内容
一斉防除試験の実施
3月実施内容
一斉防除試験の結果報告(PDF:2.8MB) (PDFファイル: 2.9MB)
3月実施内容
アルゼンチンアリ一斉防除マニュアルの作成 写真提供:復建調査設計株式会社
更新日:2022年09月29日