子育てに関するアドバイス~こんなときどうしたらいいのかしら?~
子育てをする中で日頃気になっていることや、悩んでいることなどについて、子育て支援センターどんぐり HOUSE 職員がお答えします。(広報おおたけでも隔月で連載しています。)
生活習慣・しつけについて
Q.オムツは何歳までに外したらよいのでしょうか。
A.
「お友だちはもう外れたよ」とか「昔はもっと早く外したのに」とか、周りの声が気になりますよね。以前は早くトレーニングを始めれば自立も早いと言われてきましたが、早すぎると失敗ばかりで親もイライラ。しつけを拒否されるおそれもあります。逆に、いつまでも放っておくと、オムツに排泄するのが正しいと覚えてしまうおそれがあります。早い子では1歳前から座れる子もいます。
食事の前後や、お昼寝後にオムツが濡れていないときなどに座らせるとよいでしょう。しかしこれはあくまで排泄することではなく、座る感覚に慣れることが目的です。子どもが嫌がるときは無理強いせずに切り上げましょう。
トイレトレーニングを始める目安は、自分で歩き、言葉をある程度しゃべれることです。1歳半頃からスタートし、もじもじしたり不自然な格好で止まったりするようなサインを探しましょう。
2〜3歳になると、ほとんどの子がパンツで過ごせるでしょう。少しずつ失敗もなくなりますが、焦らずに進めることが大事です。
また、トレーニングパンツを使うこともよくありますが、「おもらししてもよい」と考えるのではなく、あくまで濡らさないパンツとしてとらえるとよいでしょう。
Q.おしっこが出たあと「出た」というのですが、トイレに行きたがりません。
A.
家族みんなが「トイレがだいすき」というイメージ作りをして、トイレに座れたらほめる、おもらししても「出た」ことを教えてくれたらほめる、できたときにはしっかり(一緒に)喜ぶ、を繰り返すことが必要です。
無理せず、叱らず、あせらずに進めていきましょう。
Q.「お昼寝させたいんだけど、なかなか寝ない」「1歳になりますがお昼寝はさせたほうがいいでしょうか」 「朝も寝て、お昼寝もして、寝すぎじゃないでしょうか」など、お昼寝についてのいろいろな相談があります。
A.
お昼寝についての悩みは年齢や発達段階によってさまざまです。
子どもは大人に比べて運動量も多く、夢中になるとエネルギーを使い果たすまで遊んでしまうので、ぐずったり、眠くなったり、不安定になったりします。
お昼寝を上手にすると、ストレスが緩和され、疲れがたまらないともいわれます。時間は1時間から2時間までがよいとされ、あまり長いと夜の睡眠に差し支えます。また、夕方寝てしまうと夜の寝つきを悪くさせるので控えるほうがよいでしょう。
お昼寝を決まった時間に適度にとることによって、生活リズムも整い、安定して過ごすことが出来ます。天気の良い日は戸外遊びを楽しみ、食事の時間や寝る時間を決めて過ごすことを心がけましょう。
Q.夜泣きがおさまりません。どうしたらいいでしょうか。
A.
夜泣きは6カ月くらいから1歳くらいまでの間、睡眠リズムの発達の過程で浅い眠りの最中に目がさめてしまうことが原因のようです。抱っこしても、おっぱいを飲ませても寝てくれない時にはイライラするものです。衣服が苦しくないか、暑くないか、寒くないかなどにも注意しましょう。
また、午前中にしっかり体を動かしたり、日光浴したり、お昼寝は寝すぎないように生活リズムを整えましょう。
必ず夜泣きはおさまります。ひとりで悩まないようにしないことが大切です。
食事について
Q.離乳食をどのように進めたらよいのでしょうか。
A.
母乳やミルクを飲んで育っていた赤ちゃんが、少しずつ固さや形のある食べ物に慣れて、子どもの食事を取ることができるようになるプロセスが「離乳」で、この時期の食事を「離乳食」と呼びます。生後5〜6カ月頃から開始して、1歳〜1歳半頃完了するのが目安とされています。
一つの例としては、母乳を併用しながら、次のようなペースで進めていきます。
- 5〜6カ月:10倍がゆ(米1:水4.5)
- 7〜8カ月:7倍がゆ(米1:水3)
- 9〜11カ月:5倍がゆ(米1:水2)
- 12カ月〜18カ月:軟飯
ただし、離乳食の進め方は、心身の発育・発達と同様、とても個人差の大きいものです。スタート時期にも差がありますし、進み具合もそれぞれ、よく食べる時期もあれば、ほとんど口にしない時期もあります。
おかゆにまぜて、少しずつ試し、比較的好きな物を中心にゆっくり経験を重ねましょう。
また、今はいろいろなレシピや食材もたくさんあります。赤ちゃんが食べる様子や便の状態を見ながら、少しずつ量を増やしていきましょう。
1歳くらいになると、家族が「おいしいね!」と食べてみせて、赤ちゃんと苦手な食材を疎遠にしないことが大切です。一番大切なことは大人も一緒になって楽しむことです。赤ちゃんの体調に気を付け、その子に合ったペースで家族の笑顔を見せながら、食べる楽しさを伝えてあげてください。
Q.1歳〜2歳頃の子で、好きなものばかり食べて、嫌いなものはわざとこぼしたり、ごはんをあまり食べてくれないのですが、どうしたらいいでしょうか。
A.
まずは生活リズムを整え、しっかり体を動かし、間食を与えすぎないことが大切です。そして食事に興味を持たせる工夫をしましょう。例えば言葉をかけるときに、好きなキャラクターの話を採り入れてみたり、「ごはんを食べると大きくなれるよ」とか「カリカリいい音がするね」など、子どもが食べ物をおいしく感じたり、また楽しくなれるよう、心がけてみてください。親がおいしそうに食べる顔を子どもに見せてあげることも大切です。
また、調理法(形、味付け、食器)などにも工夫もしてみると、子どもが食べることに興味を持ってくれるかもしれません。汚れても気にせず、少しでも食べられたらほめてあげるようにしましょう。
Q.食べるときに顔中汚して食べるのですが、よいのでしょうか。
A.
1歳を過ぎると「自分で」と一人で食事をしたがるようになります。手づかみで口いっぱいほおばって満足そうに食べています。
でもまだ自分では口の中に入れる量を調節できず、口の中に食べものが入っていても、次々と口の中に入れてしまいます。また、大好きなおかずや口の中に一口で入るくらいの大きさのものは、手で口元を押さえながら、一気に食べようとしてしまいます。
そんなときは一口サイズに切り分け、お皿に小分けにしてあげます。
また、手で持てるものなら前歯で「あぐっ」と噛み切ることを教えていくことが大切です。
ほかにも油物や煮物、果物などはチューチューと吸いながら食べる子もいると思います。その時にも前歯で噛み切ることを教えていきましょう。
大人が一緒に食べることも大切です。「もぐもぐしようね」「ごっくんしてからお口に入れようね」などと声をかけながら、大人も同じ物を食べて見せます。こうしたことで子どもは大人のまねをしながら、食べ方を学習していくのではないでしょうか。
Q.「水分補給」とは何ですか。どんな物を飲ませたらよいのでしょうか。
A.
私たち人間の体の60〜70%は水分でできていて、小さな子どもほど水分の割合が多く、新生児は80%近くが水分といわれています。この水分は、体温が上がり過ぎたときに汗をかいて体を冷やしたり、体の中の不要なものをおしっこや汗として体外に出したりするなどの大切な役割を持っています。
水分が不足すると、「のどが渇く」「おしっこの量が減る」といった症状が現れ、さらに不足すると、体液バランスが崩れ始め、頭痛・めまい・吐き気などが起こります。そのため、体液はいつも一定の量・濃度になっていることが必要ですので、おしっこや汗で失われた水分を補うために、水分補給が大切になってきます。
水分を補給するときのポイントは次のとおりです。
- 汗をかく前・かいた後に飲む
(風呂に入る前・出た後、遊ぶ前後、寝る前・起きた後など) - 一度に大量に飲まない
(一度にたくさん飲むと胃に負担がかかります) - 水かお茶を飲む
(ジュースは糖分のとり過ぎになるので気をつけましょう)
赤ちゃんや小さな子どもは、のどが渇いたことを上手に伝えることができず、水分が不足していることが自分では分かりません。周りの大人がこまめな水分補給を心がけるようにしましょう。
言葉などの発達・行動について
Q.言葉が遅いのが気になるのですが。
A.
1歳頃になり指さしやまねっこを始めたら、それに応じてやりとりを重ね共感してあげましょう。子どもは人とやりとりする楽しさ、心地よさを学んでいきます。
そして、子どもの言葉の獲得には、親のあたたかい言葉かけ『語らい』が重要です。少しテレビを消して親子で歌をうたったり、散歩したり、絵本を読み聞かせるなど一緒に楽しみながらコミュニケーションを楽しみましょう。
Q.周りのお友だちがもっている物を取ったり噛みついたりするのが心配です。
A.
1歳〜2歳くらいになって、周りのお友だちと触れ合うことが増えてくると、周囲とのトラブルも増えてきます。子どもは1歳半を過ぎた頃から自我が芽生えてくるといわれています。
「自分がしたい」「自分のものだ」という自己主張が出てくる時期なのですが、言葉を使って自分の思いや要求を伝えることが未熟な時期です。言葉の代わりに体で表現しているのが、噛みつきやひっかきだと考えられます。
少しずつ言葉が増えて、上手にコミュニケーションをとることができるようになると、自然になくなっていくと思います。
でも「まだ小さいから言ってもわからない」とか「そのうちわかるようになるから」といって放っておけばよいというわけではありません。噛んだり、ひっかいたりするのはいけないこと、噛まれた子は痛い思いをしているのだから謝らないといけないことなど、きちんと教えてあげることが必要です。
そのうえで、言葉で表現することを教えてあげる必要があります。おもちゃの取り合いで噛みついたのであれば、おもちゃが欲しい時には「欲しい」とか「貸して」など、何度も何度も繰り返して教えてあげることが必要です。
「噛んじゃダメ」と頭ごなしに叱るよりも効果的だと思いますよ。
Q.1歳過ぎの子ですが、食べ物やおもちゃを投げるので困っています。
A.
寝てばかりいた赤ちゃんが、手足が自由に動かせるようになると物を掴む力もつき、持った物を投げる行動も見られるようになります。小さなぬいぐるみやボールなどを投げるのはかわいいですが、おもちゃなどを投げるのは大変危険です。すぐに止めさせたいと思うのは皆さん同じだと思います。
でも、叱ってばかりではお母さんのストレスが増すばかりです。1〜2歳と2〜3歳では叱り方に違いはありますが、1歳過ぎでしたら、ボール類など投げてもいい物と、食べ物やおもちゃなど投げてはいけない物、そして投げてもいい場所といけない場所をはっきり分けるようにします。
投げてはいけない物を投げそうな時には、投げる前にやめるようにしていくと、子どもにも投げていい物といけない物が分かってきます。
叱る時は「投げたらいけないよ」「ダメよ」と短くハッキリと真剣な顔で伝えます。
叱ったからといってすぐにやめてくれる訳ではありません。育児に疲れそうになりますが、あきらめないで向き合ってくださいね。
Q.何でも「いやだ」と言ったり、思い通りにならないと怒ったり泣いたりします。どのように接したらよいでしょうか。
A.
1歳半〜2歳になると、自分の気持ちを他人に伝えようとする自我が芽生え、自己主張がはじまります。これは成長の過程で欲求を素直に表現する力が育ってきた証拠です。
まずは子どもの気持ちを尊重し、「やりたくないのかな」と受け止め、いいなりになるのではなく、「こうしたほうがいいだと思うんだけどいやなの?」とか「でもやってみようか」など、子どもに選択させたり決めさせることも大切だと思います。だんだん言葉で訴える力を育てていきましょう。
Q.人見知りがひどいのですが、どうしたらいいでしょうか。
A.
1歳前くらいの人見知りは、お母さんを「大切な人」だとわかる成長の証しです。
1歳を過ぎると、お母さんへの「愛着行動」が強くなり、お母さんへの後追い行動が起こります。
こんな時こそ、外に連れ出し、人と接したり観察させてください。お母さんが楽しそうに話していると「安全な人」と感じるでしょう。
また、子どものそばを離れるときは、「すぐ戻るからね」と声をかけ、必ずママが戻ってくるのが分かると、子どもは安心します。
Q.下に子どもが生まれ、上の子の赤ちゃん返りが心配です。
A.
今まで独占してきたママを下の子がさまたげる存在と感じ寂しくなり、関心を引くために、お母さんを困らせてしまいます。(妹や弟への危険な行動には十分注意してください。)
その気持ちを受け止め、「お母さんはあなたが大好きよ」と抱きしめたり、赤ちゃんがおとなしくしている間は上のお子さんとスキンシップをはかってあげてください。お手伝いなどもしてもらい「さすがお兄ちゃん(お姉ちゃん)だね」「やさしいね」としっかりほめてあげましょう。
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更新日:2022年09月28日